言えない恋





"話がしたい"


ってもしかして…



別れの話とか?




私の考え過ぎかな…



でも…




もし別れようって言われたら私…



ちゃんと受け止めなきゃいけないよね




壮介が決めたことなら、私は何も言えない




きっと一人になった時、泣いて終わるんだ…―







昼になり、体調はますます悪化



鼻水も咳きも、熱さえもない



ただ頭痛と体の重みがしんどい



胸が痛くて…苦しい




私、もうこんなになるまで壮介のことが好きだったんだ



芸能人としての憧れなんかじゃなく




一人の男性として好き



私はもう…




壮介のことを本気で好きになっていた






――――




「大丈夫?」


「うん…なんとか」


「コンビニでさ飲み物とか色々買ってきたから、無理しない程度に胃に入れといた方がいいよ。」


「ありがとね、歩美。心配かけちゃって悪いね」


「なに言ってんの。友達じゃん。いつでも頼ってください」



「ありがと」




晩になり、歩美が来てくれた



たまたま掛かってきた電話で仕事休んだこと言ったら、すぐに来てくれたんだ




理由は風邪、って。


壮介のことは…言えないでしょ




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