言えない恋





"壮ちゃん、助けて…っ"




俺は理由も聞かず、場所だけ聞いて迎えに行った





コンビニの中にいて、俺は手を引っ張って綾を連れ出した



車の中じゃ無言



家について、落ち着いた頃に



旦那と喧嘩したと言った




俺は黙ってた



"嘘はつけない"



そう言われてなんて言えばいいのか分からねぇ




別に嘘なんて言う必要はねぇとは思う


でも、それを俺に言ってどうすんだよ



そんなの俺に言われたって…



お前に何もできねんだ…




綾は言った


"旦那に私の気持ち言うから"


って。



綾は結局どうしたいのか分かんねぇ



子供もいんのに、そんな簡単に考えてんじゃねぇよ、って正直イライラした



"壮ちゃん…私、今からでも‥"



俺はその次の言葉を止めた



みっともねぇ


情けねぇよ‥



だったらなんで結婚なんてしたんだよ



なんで子供つくってんだよ



俺は理解できなかった




綾の気持ちに向き合うこともせず


自分の気持ちすら分かってねぇのに、綾の気持ちなんて分かるかよ…




日曜日の件も"行かねぇ"ってハッキリ言った






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