言えない恋




綾のことを話した


昔からの知り合いで、俺が好きだったことも全部



前の電話の時の声も綾ってこと


綾と逃げようって決めてたこと



でも綾とは進んでいかず、終わらそうと思ったこと




とにかく俺の気持ちを全部芽衣に言った



芽衣は驚きながらも真剣に聞いてくれた

何回も頷いて、何回も泣きそうになってて



俺の気持ちを受け止めてくれてる気がした





「ほんとごめん。でも芽衣が好きだ。だからもう一回、俺に…」

「なんで話したの?」



芽衣は言葉を被せ、そう言った



なんで話した…?



ってどういう意味?



「なんで、って」


「私は綾って人のこと全く知らなくて、壮介が好きだった相手でも私には被害はなかった。なのに、なんで私に全部話したの?…黙ってれば分からなかったのに…」



それは…当たってる



けど、俺がスッキリしたかっただけ



確かに芽衣には関係なかった話かもしれないけど、俺らの始まりが嘘からだったから



ちゃんと1からスタートさせたかったんだ




本気で芽衣にぶつかってみたかった




「俺は芽衣が好きだ。芽衣だけが好きだ。今日、1からスタートさせたい」





< 92 / 147 >

この作品をシェア

pagetop