言えない恋
綾のことを話した
昔からの知り合いで、俺が好きだったことも全部
前の電話の時の声も綾ってこと
綾と逃げようって決めてたこと
でも綾とは進んでいかず、終わらそうと思ったこと
とにかく俺の気持ちを全部芽衣に言った
芽衣は驚きながらも真剣に聞いてくれた
何回も頷いて、何回も泣きそうになってて
俺の気持ちを受け止めてくれてる気がした
「ほんとごめん。でも芽衣が好きだ。だからもう一回、俺に…」
「なんで話したの?」
芽衣は言葉を被せ、そう言った
なんで話した…?
ってどういう意味?
「なんで、って」
「私は綾って人のこと全く知らなくて、壮介が好きだった相手でも私には被害はなかった。なのに、なんで私に全部話したの?…黙ってれば分からなかったのに…」
それは…当たってる
けど、俺がスッキリしたかっただけ
確かに芽衣には関係なかった話かもしれないけど、俺らの始まりが嘘からだったから
ちゃんと1からスタートさせたかったんだ
本気で芽衣にぶつかってみたかった
「俺は芽衣が好きだ。芽衣だけが好きだ。今日、1からスタートさせたい」