守ってあげたい 【完】
そうしたらアイツは

「またなんかあったら
 嫌だから」

って。

それだけ。
ひとことだけ
下を見たまま
聞こえるか聞こえないくらいの
小さな声で
そう言った。


気にかけてくれてるんだ、と思ったら
嬉しくなって。
これ以上何か聞いたら
一緒に帰ってくれなくなるかも、と
思って。

だからもう
聞かないことにした。
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