もう一度、恋して下さい!
なんのことだか
さっぱりわからないまま

寮では、ひとり部屋になり


それまで友達だと想っていた子からも
無視されるようになった


もちろん



本多君からも







裏切られた







そう、気づくまでに
時間は、かからなかったけど
認めるまでには、時間が必要だった



初恋だったから






「宮崎なんて、好きになるかよ!!!
あいつの家、潰れた和菓子屋だぞ!?
爺さんの遺産で、こんな名門校に通うとか
それに比べて、加純の家は安定してる
日本の小麦粉は、加純の家から配られているようなもんだ!格が違うんだよ!」




本多君が、友達に話しているのをきいて
はっきりと失恋したことを認識した




それと同時に




嘘の馴れ合いするくらいなら



友達なんていらない






時が過ぎ、私に話し掛けようとしてくれる子もいたけど
どうしても、信じることができなくて
人を避け、ひとりで過ごした




同じ教室から、本多君の声がしても

もう、気にならなくなった



目が合うこともなくなった












もう、恋なんてしない















私は、心に誓った











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