もう一度、恋して下さい!
夏休みに入ってからも
学校で勉強しなきゃいけなくて


お盆に5日間、外泊が出来た




亜樹さんに「高校は、普通の所に行きたい」
そう打ち明けた

「何かあったの?…なんだか
前と雰囲気も違うじゃない
まさか!?イジメ!?」


「そんなんじゃない」



亜樹さんに心配を掛けてしまう

私は、それ以上亜樹さんと話さなかった



一喜が亜樹さんに会いにきた
私が会うのは、祖父のお葬式以来、2度目



「……本当だ」



私の顔をジロジロ見て、何か納得していた


チラリと一喜に顔を向けると


「ばぁちゃんが、心配してたぞ?
高校……どこ行きたいの?
何かやりたいことが出来たって、感じは
しないんだけど?」


ばぁちゃん? あぁ、この人からしたら
亜樹さんは、ばぁちゃんだったわね


核心を突いた質問に
どう返答するべきなのか



わからなくて、プイッと
一喜から顔をそらした


「大学行かないことにしたの」


「金の心配してんのか?」


「違う!!!」


「じゃあ、何?」


「働きたい
おじいちゃんみたいに…」


「和菓子つくりたいのか?」


「何でもいいの、職人になりたい」


「何でもって……
そんな、気持ちでなれんのかよ
大学卒業してからじゃ、だめなのか?
ばぁちゃんに気を使ってんなら、そんなの
間違いだぞ!?」


「……」



養って貰ってて、何ワガママ言ってんの?



一喜の言葉の裏に、そういう気持ちを見つけた



沈黙




「誰でも入れる学校じゃないんだ
せっかく良いとこに入れたのに
簡単に捨てるなよな!もう少し考えろ!」





ほらね







人の心には、裏がある





亜樹さんも…


本当は、面倒なのかもしれない

急に厄介者を押し付けられて
















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