もう一度、恋して下さい!
そのまま廊下を歩く


「晄さん!?」

目の前に悠樹が…
今まで、社内で鉢合わせなんてなかったのに


「救急車!!!救急車呼ばなきゃ!!!」


へ?


真っ青になって、狼狽える悠樹に目が点


「えと… 大丈夫だよ」


苦笑いして見せるけど、俺の右手を見て
顔を歪ませる


「来て!」


左手をグイッと引っ張られて、小会議室へ

先輩に電話を掛けて救急箱をお願いして
俺の右手をとる


「ごめんなさい」

「え?」


ガチャ


「なんだ、晄か…」


悠樹が怪我したと思っていたらしい

チッと、舌打ちして部屋に入る



消毒して、包帯を巻く悠樹の手は、震えていた


もしかして…
コレ、自分のせいとか思ってる?


「俺… 中村とつき合うことになった」

「うん」

「悠樹と二股みたいになって、ごめん」

「私が、晄さんに甘えたから悪いの!
中村さん、ヤキモチで喧嘩したんでしょ?」

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