悪魔に恋した少年(完結)
冴凪の過去 ~冴凪side~


どういうことだよ。という目で俺を見てくる透。

当たり前だよな。

ずっと隠し通してたのだから。

「…その通り。確かに俺は天使だ」

しかし、一向に透は信じようとしない。

そりゃそうだ。

透には普通の人が見えない羽根が見えるのだ。

なのに俺の羽根は見えないのだ。

何かに気付いたかのように目を見開いてハッとする彼女。

そう。

「あんたには分かるだろうけど、俺にはもう羽根がないんだ」

ヤレヤレと手を広げる俺に絶句する二人。

まあ、羽根がない天使何て二人とも初めて見たのだろう。

目を見開いてる。

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