悪魔に恋した少年(完結)
「庇ったんだ、二人は死神が事故の様に殺そうとしたお前を」
あの日、俺は透の両親を助ける事が出来なかった。
そして今も。
「なっ、何で!!冴凪さんもそこに居たんだろ…!助ける事が出来たんじゃ」
「それは出来ないのっ!天使が人の寿命に力を使う事は重大なご法度なの…。死神が貴方を殺そうとしたなら、それは何かしらの理由があるから」
そう。
彼女の言うとおりだ。
その死神が言うには透の寿命はその時には既に過ぎていたのである。
「あの時あの現場に居た天使は俺を含め二人だ」
二人という言葉に透も彼女も目を大きく見開いてビックリする。
「もう一人の天使は…?」
恐る恐る聞く彼女に俺はキッパリと言った。
「死んだ」と。