悪魔に恋した少年(完結)
「あっ……兄貴っ…何でここにっ」
ああ、忠史のお兄さんだ。
私は彼が現れた事で自分の死が近いと直感的に思う。
「安心しろ、お前は幸せになって良いんだ」
「……っ!!何で!!」
私なんて私なんて生きてる意味なんてないっ。
「思い出せ、過去を。お前が人間界に来た一番最初の記憶をっ」
「何いってるんだよ、兄貴。紗奈が人間界に来たのは最近っ!!」
「それが、あるんだ。幼い頃に。あの少年に」
ドキン…ドキン…
この胸の高鳴りは何だろうか。
私は元からあの少年を知っていた…?
立花透君を…?