瑠璃の雫



「璃香っ」






崩れ落ちた私の体を支えた翠の彼
宙ぶらりんになっていた電話を取ると何か口を動かした
冷めきった足を体の中央に寄せ彼の温もりを分けてもらう
「出かけるよ。」
いつのまにか元の位置に戻った受話器
返事をしない私を彼はじっと見た
「璃香……
りか……














行くよ!」






































荒々しく腕を掴まれ立たされる
掴まれた腕がジンジンと熱い




















床へ視線を落とすと


誰のか分からないしずくがいくつも落ちて濡らしていた。









< 12 / 65 >

この作品をシェア

pagetop