瑠璃の雫
外も冷えている
彼が私の肩にかけたダウンはとても温かい
だが私の体は一向に温まらなかった
冷たくコンクリート製の白い建物がそこには建っていた
大きな口を開けて私たちを待っている
「行くよ。」
二輪車は指定の場所に止まり運転手は私に手を伸ばした
空は今にも泣き出しそうだ
薄暗い階段を降りる
前にはいつの間にか白に身を包んだ女性が歩いていた
一段また一段と降りるたび空気が薄くなるようなそんな感覚に陥る
たくさんのくうきをすいこもうとコキュウがすこしずつはやくなった
おもたそうなシロイどあ
女性がその前で止まった
戸がゆっくりと開けられる
「瑠佳…」