瑠璃の雫
冷たい空間にポツンとある白いベット
その空気からは誰の体温も感じられない






「璃香…」

翠の声が後ろからした
それでも私の足は一向にその部屋へと踏みいれようとしない
足裏が地面にピタリとくっついてしまったかのようにピクリとも動かなかった












「りかっ……」














彼はいつの間にか私の前にいてこちらに手を差し出していた









ーいつもそうだった






ー彼は

ー兄は


ー二人はいつも私の数歩先を歩いていた










2人が歩いて近くにいなかったその道は

ー寒く

ー冷たく










私の



体と心を冷やしていった。
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