瑠璃の雫
「璃香お疲れ。」
頭を上げると白い部屋はまた私と翠の2人になっていた
冷たい空気が止まっている
「あっち行って休もう。」
白い部屋と一枚の戸で隔てられていた畳の部屋
布団が一枚引いてある
「…分かった。」
誰が用意したのか
私の部屋着もそこにあった
戸が閉められ15畳の部屋に1人になった
堅苦しい黒い服をぬぐ
…翠
静かな空気に消える声
「なに…?」
とのすぐ向こう側で声が返ってきた
「すい……
頭の中に白い兄を思い起こすがどれも鮮明には出てこなかった
毎日見ていたはずの姿は私の中にはもうすでにいなくなっていた
「すい…………
瑠佳は……………………
もう、
いないの……………?」
…声が震えた