瑠璃の雫
初めて入るその布団の中で夢を見た
それはまるで走馬灯のように私の思い出が目まぐるしく駆け巡った
水の流れに飲み込まれたような感覚
手を伸ばしても流れに遮られ届かない
白い彼はすぐそこで笑っていたのに私の声に反応しなかった
水の流れの途切れた場所
そこにあったのは彼の笑顔だった
〜〜〜
ピピピピ
りんごのまーくの携帯が6時だと叫んでいた
「おはよ。」
朝日を浴びて黒いネクタイを締める翠がそこにいた
「おはよ……。」
まぶたが重たかった
体を起こし鏡の前に立つと目は赤く腫れていた
顔を洗いはをみがくと緑の男があの、暖かくなるアイマスクを差し出して来た
どこまでも準備がいい。
「ありがとう。」
差し出されたそれを受け取って目の上に置く
じわーっと目が暖かくなった
「璃香、そろそろ時間だ。」
そう言われた時にはもうそのアイマスクは冷たくなっていた
広い部屋を出る
白い箱がある部屋には黒い服を着た女の人が立っていた
彼女が礼をする
私はさっと翠の後ろに隠れた
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