瑠璃の雫

















私はペンをくるくると回していた

















中等科からずっとそうだった









…………………♪







授業が終わり着席すると私はすぐにあのパンを取り出し口に運んだ
風の空いていた方が少しパサパサしていた


でも、
美味しい


その味がどこか懐かしくて目元が熱くなった
「璃香?!」
また近くに来ていた春が私の目に溜まった涙を見てびっくりした声を上げた


「斎藤さん
璃香に何したの?」


ふっとこっちを見た笑心
彼女は少し怒ったような顔をしていた


「笑心は…
何もしてない。」


その言葉を発した途端崩壊した私の涙腺
「何もしてないって…
現に涙が……パシッ


腕が掴まれその瞬間に私は廊下の外に出ていた


とても早い
景色はどんどん流れた


……ハアハア


息が上がった
階段を何段も飛ばし駆け上がっていく
眩しい
西に少し傾いた太陽が私と彼女を照らした


















ー誰も口を開かない

ーただ荒くなった息が時を刻んでいた











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