瑠璃の雫
「笑心…」
息を上げ下を見たままの彼女の名を呼んだ
彼女は鋭い目で私を見た
「笑心。」
一歩歩み寄ると彼女は二歩離れた
「ねえ…」
屋上をはじからはじまで歩き続ける
「ねえってば。」
彼女は立ち止まった
だから
私も止まった
秋だというのに陽射しは強く2人の少女をジリジリと照らした
彼女が振り返る
私は目線をコンクリートの床に落とした
「ねえ、私何かした…?」
沈黙
彼女の顔を見ようと上げた顔
陽射し以上に強い彼女の瞳が私をまっすぐな瞳で見つめていた
「なにもしてない」
「じゃ…「何もしてないから怒ってるのっ」
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