瑠璃の雫
「バイバイ笑心。」
「また明日、璃香。」
久しぶりの帰りの挨拶
すこし照れくさい
笑って別れた
玄関を出るとあの黒い人がいた
こちらに気づくと彼は人ごみに紛れ込んだ
……?
門に向かう
緑の頭が門柱にもたれていた
「あ、璃香おかえり。
どうだった?」
「笑心と仲直りできたよ。」
そう言うと彼は笑った
「それは良かった!」
「ちょっとスーパー寄ろうか!
食料が底をつきそうなんだ。」
帰り道の途中にあるスーパーに寄ってお肉や魚、野菜を買う
カゴにこっそりチョコレートを入れたら翠はこらっと言ってコツンと頭を叩いた
「だめ…?」
「いい……よ………。」
やったー!
歩いて家に帰った。
家について手を洗うとすぐに部屋へ上がった
「翡翠
私、山のように課題があるの。
手伝えないわ。」
「うん。
大丈夫だよ。
……いないほうが…捗るし……」
「ん?
何か言ったー?」
「なんでもないよ。
頑張って。」
リビングへとつながる吹き抜けのとこから机に移動する
掘りごたつのように足を下ろせる勉強机
床に座る純日本っぽい感じがよくて畳の部屋にしたけど正座は辛いからってこの形にした
とても心地が良い
カバンを開けて山のようなプリントを広げる
一番上は現代文
プリントが20枚くらいずつ綴じられていた
これが9教科ざっと計算して180枚…
それに明日のテスト勉強…
ぇえええい
考えたって進まないやってやるー
シャーペンを手に取った
〜〜〜
「璃香ご飯持って来たよ。」
階段の下で声がする
「ありがとう」
下に行って受け取った
「どう.
終わりそう?」
「うんあと2.3ページ。」
「はやっ!
体壊さないように早めに寝るんだよ。」
「はーい。」
「食器は下のとこ置いといていいからね。
俺も下にいるから何かあったら言って。」
最後のプリントに手をつけた
ふぁぁあああ
ー終わった。
時計は12時を指した
「眠い…」
お風呂はいらなきゃ。
着替えを持って下に降りる
「お疲れ様。」
リビングで翡翠はくつろいでいた
「ありがとう。」
ちゃぽん
シャワーを浴びて湯船に入る
薄暗い落ち着いた照明といい香りが鼻腔をくすぐるヒノキのお風呂
お気に色の空間
シャンプーを手に取って髪につける
あー。
短い。
洗いやすい!
いいなー
短いのも、
〜〜〜
「璃香上がった?
髪かわかそっか。」
ドライヤーを持った彼がリビングで待っていた
ーぶぉぉおおお
熱い風が髪に含んだ水分を飛ばしていく
「ありがとう。
おやすみ、翡翠」
また階段を登った
翡翠も階段を上る音が聞こえた
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