瑠璃の雫
1-Aくみの教室
誰も話しかけてこない…
こっち見てるのに…




チラチラとこちらを見る男子たち




高校に通い始めて1ヶ月でまさかこんな男子校舎に通うことになるなんて
女子の方だってやっと慣れてきたばっかりだ




「ねえ。」

となりに座っている男子に話しかけられる

「はい?」

「俺、日向
よろしくね。」

「私は、
松坂 璃香です。」

「璃香でいい?」

「はい。」

日向にじーっと見られる
「なんですか?」

「瑠佳に似てるね。
やっぱり。
あと、普通に話して…。」

「あ、」

言われるまで気付かなかった喋り方
やっぱり男の人と話すのは緊張する

「日向は、瑠佳のこと知ってるの?」

「うん。
まあね。」

「どんな人だった?」

どんな人。
人から見た高校生の瑠佳。
私は知らない。

「しっかり者で真面目で毎日しっかり朝一番に教室にいた。
テストは1番だったし、あ、
あっ、
いっつも1人だったよ」



「1人?」



いつも彼の周りには人がたくさんいた
何で?



「うん。
あと…」

「あと?」


〜がらっ


「うんん。
何でもない。」


「う、うん。」


瑠佳の話…
皆口を紡ぐ


何か…
あるの?
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