瑠璃の雫




特に見てきた男子の前に丼の乗ったトレー持って行って座った
男子達は肩をびくり揺らす
自分でもびっくりする大胆な行動
こんな近くに寄ることだってもうないと思ってたのに
















自分がよくわからない

















うん
まあそれでもいいんじゃない

















「ねえ。
なに?
おはなししよっか。」














相手の目をじっと見つめた
3年生の先輩だ……
怖いって気持ちはない
この学校の生徒の中で1番偉いのは私。
その事実は変わらないから怖いものはない。
多分…

















「斎藤 璃香ちゃんだっけ?」

「そうだよ。」

笑って話を聞く

「似てるね。
瑠佳くんとは双子だっけ?」

似てる?
そんなこと……

「あまり言われたことがないです。」

「似てるよ。
話し方とか、その目……
そっくりだ。」














「井上先輩は、瑠佳とどんな関係なんですか?」




























「変わった質問だね。
うーん…
特に関係って言うほどのものはないよ。



はなしたことだってここで一度だけだ。
俺が前の会長だったから聞きたいことがあるって質問されただけだよ。」

彼はふふっと笑った
「井上先輩から見て瑠佳ってどんな感じでしたか?」

















「初めて見る感じの生徒会長だった。
しっかりしてる訳でもない皆を支えなきゃいけないはずの立場なのにどちらかと言うと皆に支えてもらってる感じだった。
でも、彼は誰も近づけなかった
自分からは寄るのにこっちから寄ると離れる。
特に彼がいなくなるここ数週間は殆ど
あの、副会長以外は寄せないで1人になっていたよ
授業もサボるし…
遅刻もするし……
先生たちもお手上げ状態だった
だから1ヶ月前突然亡くなったって知って驚いた
だって、そんな兆候なかったし





かれは、何で亡くなったの?」

















腕を強く掴まれた
いたい……
爪が少し食い込んでいる









「痛いです…。」








立ち上がって廊下へ出た































何故?


何で……。


何で何で……














瑠佳が死んだ理由…
そんなの気にしたことなかった……。


何でだろう…。

忘れていた?


うんん
そんな訳ない?


死ぬのに理由がいるのかどうかとかじゃなくて……
死んだ原因……





病死?
事件?
事故?
自殺?
突然死?





病気だったら皆気づくだろうし……
私が気づかないはずがない…

事件?
瑠佳の遺体は綺麗だった
事件に巻き込まれた訳でもなさそう

事故って線も薄そう

自殺?
うんん。
瑠佳が私を残して逝くはずがない。

突然死?
それが1番しっくりくる……
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