瑠璃の雫



でも、
そしたら何で病院から電話が来たんだろう



瑠佳の死に囚われすぎて何でってりゆうを知ろうともしなかった
















〜♪















「璃香
戻ろうか、」


東良だった


「お話聞かせていただきありがとうございました。」


一礼して教室へ戻る
頭の中は兄の死でいっぱいだった


「大丈夫?」


「うん……」


東良の質問にも答えられなかった
2週間の仕事も全うできずに終わった



















「ありがとうございました。」

















男子校舎を出る
「何かあったのか。」
いつもの表情のまま黒い男は言った
「うんん。
何でもない。
あんまり話聞けなかった。
ごめん。」


笑顔を浮かべて謝った
男の顔はあまり見ないようにした


男の横を通り過ぎてを広げた笑心の胸に飛び込む


「璃香……」


優しい声で私の名を呼び背中を優しく叩いてくれる





















彼女に支えられて学校を出た
家の近くの公園に寄る
11月の下旬
空は暗い
そして気温も低い



寒い……



雪が降りそう。



「笑心…
笑心は知ってる?」



「ん、何が?」
彼女は少しだけ肩を揺らした



「瑠佳が死んだ理由。」















彼女と目があった
時が止まった気がした



何か知ってる…



「知っているってほどじゃないの…。





















「いいよ。」

彼女は息を吸う
私にとっても彼女にとっても瑠佳の死は口にするのはまだまだ辛いことだった



















「今年の冬休み開け…
まだ雪が溶けきらない頃
うん。
丁度璃香が学校に来なくなった頃、
瑠佳君が会いに来た。」















空から白が降り始めた
ゆっくり
はらはらと
















「丁度こんなふうに雪が降ってた。
学校が終わって…
校門を出たら彼が待ってた。
話がしたいってここに来た。」


彼女はその日のことを思い出しながら話していた


「私は何だろうって思ってついていった。
りかのことだって気になってたから………。
やっと口を開いたと思ったらなんて言ったと思う?
″僕ね、もう少しで死ぬんだ。″
だよ。」



私は驚き怒りがふつふつと沸き立って来た

















「″だから、璃香と仲良くしてて欲しい″って言って私には何も質問させずに帰っていった。」


「笑心はっ……。」


彼女は目を見開いてこちらを見た


「笑心は………、
何で黙ってたの?」


















「だって……
璃香が知らないなんて思わないじゃん。」



せっかく仲直りして治ったばかりの2人の関係が静かに壊れ始める

















「瑠佳がいなくなっても仲良くしてくれって言われたから、私たち仲直りしたの?
瑠佳がいなきゃ私たちは仲良くなかった?
瑠佳がいなかったら笑心は私と仲良くできなかったの?」







「そんなわけない…「わかんないよっ……」






大声が出た
涙も出た



頭がいたい






「ごめん言いすぎた
帰るね。」







「璃香…」







後ろから声が聞こえた
雪が冷たい
息が白い






大きい家が帰りを待っていた

「お帰り。」

翡翠が迎えた
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