瑠璃の雫
彼はそう言った
遊び仲間て言うのはわかる
友達ってこと
悪いって……
悪い遊び仲間て………
私は兄がわからなくなった
誰よりも知っていたはずの兄が遠い存在に感じる
はあ……はあ………
息がうまく吸えない
瑠佳。
るか…。
〜〜〜
「…。」
目を開くとそこは明るかった
白い壁に白いベッド
白い光が反射して眩しい
「起きた。」
黒が白い扉をあけて入ってくる
「ここ。」
「俺の家。
これ食べな。」
鮭の入った雑炊
それは白が作るものによく似ていた
「私これ好きなの…
いただきます。」
美味しかった
ぽたっ
空になった器に雫が垂れる
黒は私の顔を見てぎょっとして気まずそうに目をそらした
「涙は苦手だ。
なんて言えばいいかわからない。」
「少し……
1人になりたい……。」
「それはできない。」
男は椅子を引いてベットの隣に座った
私をじっと見る
……
布団をかぶって彼からの視線を遮った
彼のいない方から顔を出して部屋を見渡した
瑠佳みたいに真っ白な家具で揃えられてる
そっとのぞいた彼とは正反対すぎて少し笑えた
「曜…」
静かに口にしたその名前
彼は落としていた顔をこちらに向けた
「翡翠って知ってる?」