瑠璃の雫









少し冷めた味噌汁がダイニングテーブルに運ばれた



いつかの冷たい空気がそこには流れていた
顔を少しあげると冷たい笑顔を浮かべる緑がそこにいる
その理由は分からなかった



















「ねえ、璃香。
おとといはどこに泊まったの?」

いつもの笑顔ではなかった

「瑠佳の知り合いのところ。」


「瑠佳の?
僕の知らない人?」


彼は静かに……徐々に私に詰め寄ってきた

「翡翠は知らないかも…」










「ふーん…」




「まあ、璃香が無事で良かった。




今度その人のこと紹介してよ
お礼言いたいからさ」









そう行った彼の顔はいつもの笑顔だった。












「うん分かった。」

短く返して部屋に戻る
< 60 / 65 >

この作品をシェア

pagetop