クール姫の秘密
「…そっか」
心なしかちょっと嬉しそうな顔してる茜
なにが嬉しいんやろ…
とか思ってたら、急に意地悪な顔に変わった
え、なに
「葵、俺にドキドキしてんの?」
あー、そのことか
「あたりまえやんけ」
「っ、…熱くなったり?」
「うん」
「〜〜っ、」
意地悪な顔から今度は照れた顔
…コロコロ顔変わんなあ
どうせあたしを照れさせたかったんやろーけどな
別にあたしツンデレとかゆうやつちゃうし。
思ったことははっきり伝える方やと思うねんけど…
まあそんなこと思いつつ、顔を赤くして照れてる茜を見てると、いじめたくなる
「茜のことが好きやから、ドキドキするし、触れられると熱くなんねん」
「なっ、」
「こんなんなんの茜だけ。たとえ似てる人でも、茜ちゃうかったらこんなんならん」
いじめたくて言ってるけど、ちゃんと本心
「茜は、あたしにドキドキせーへんの?
触れて熱くなったりは?」
「っ、〜〜〜!!」
布団から出てた茜の手をぎゅっと握り、茜のほっぺに軽くキスを落とす
「ドキドキした?」
わざと少し眉を下げて聞くと、
「あーーー!もう!」
そう言うなり、体を少し起こし、あたしの腰に腕を回して抱き寄せた
「っ、」
あかん、めっちゃドキドキする
「俺はっ、いつも葵にドキドキしてる」
素直になった茜に顔が赤くなってく
「茜、熱い」
茜の体めっちゃ熱い
いやこれは熱すぎん?
え、まって
「茜、横になりなさい」
「えっ?」
「早く」
「…」
「チッ、」
ムッとして離れない茜を無理矢理離し、ベットにゆっくりと体を倒し寝かす
「葵の馬鹿」
わけわからんて顔して、挙句馬鹿とか言ってきた茜のおでこに手を当てる
…たぶんあのままいちゃいちゃでもしたかったんやろな
「…やっぱ熱あがってる」
「えっ、」
「ごめん、病み上がりやのに話し込んじゃって」
油断しすぎたな…
「葵は悪くない」
「けど、」
「悪くないから、一緒に寝よ?」
「は?」
なんて言ったこいつ
一緒に寝よ?やって?
「いや移るやん」
昨日キスして、さっきもほっぺにキスしといてなんやけど、
ごめん、さすがにあたしも風邪はひきたない
…しんどいやん
「……」
断られると思ってへんかったんか、少しショックな顔する茜
んな顔されてもなあ…
「手」
「て?」
「手繋いでてあげるから、寝な」
「……」
そう言うと、納得いかなそうな顔しながら手を出してきた茜
かわいいなあ、とつい笑みがこぼれる
笑ったあたしにムッとした茜の手を繋ぐ
「離さないでね」
「うん」