クール姫の秘密




あの時話しかけた自分を褒めてやりたい




「初めまして、」


急に声をかけられ驚いた彼女に少し笑みがこぼれる


「初めまして」


驚きつつも、しっかりと返してくれたその凛とした声に、つい聞き惚れた




そこから少し話していたが、緊張していたのと、夢心地だったのか、会話の内容はあまり覚えていない



ただ覚えていたのは、

「葵様っ!!!」

そう叫び、彼女…葵の元へとやってきた執事であろう男の人


「あ、たまちゃん」

「もう!また勝手に会場を抜け出して!
今日は招待した側なのですから目の届くところにいてください!」

「…だって暇だったんだもん」


「…ごめん葵、ちゃんとそばにいてやるから一緒に中に戻ろう?」

「…うん」

「ありがとな…で、えっとそちらは?」

「友達!」


急にお兄ちゃんみたいな口調になった執事?と、葵の仲のよさに驚き固まっていたら、

笑顔でそう答えた葵




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