もし明日、この世界が終わると言うのなら。
柚月side

ピーンポーン

誰だろ。母さんが帰ってきたのかな。

「はーい...。」

ガチャッ

ドアを開けると

「柚月ちゃん!!!」

「陽愛ちゃん!今日は...。あー、プリントか。」

「あ、うん。これ...。」

「...ックシュン」

え?

「ちょっと、お兄ちゃん!!」

「ごめん、ごめん。」

寒いし、立ち話もあれか。

「何ならうちで話そ。お母さんまだ帰らないと思うし。」

「それじゃ、失礼しまーす。」

「だから、お兄ちゃん!!」

「ふふっ。仲良いんだね。」
 
「よくないよー。」

あ、そう言えばあのお兄さん何て言う人だろう。何処かで見たような気がするけど...。

「あっ、紹介するね。この、バカっぽい人は私の兄の和輝。」

「沢田和輝です。よろしくね。...あと、バカではないよ?」

「はい、よろしくお願いします。...ん?沢田和輝?...あ!モテるのに、彼女をつくらないで有名な?」

「あー、うん。一応。...恋愛奥手なだけなんだけどね。」

「ふふっ、先輩、見掛けに寄らないんですね。意外です。」

「あっ!ヤバっ、もうすぐ7時じゃん!」

話し込んでしまい、時間がすぎてしまった。

「ごめんね~、バカ兄迷惑かけたよね。」

「ううん、全然。むしろ楽しかったよ。来てくれてありがとう。」

「じゃ...体調良くなったら来てね。」

「うん。ありがとう。」

二人が来てくれて、ちょっと頑張ろうと思えた。
もう、聞こえなくなるなら、それまで楽しむのも悪くないかなーなんて。

   これも私の人生だから...。

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