もし明日、この世界が終わると言うのなら。
ガラガラガラーー

「おはよう!」

「柚月!!」

「「「柚月ー!!!」」」

わー、凄い注目度。笑える。

あ、あきちゃんいた!

「あきちゃん、おはよう。」

「柚月、おはよう。」

バシッ

「これからは私たちも頼ってね。」

「柚月ちゃんのことなら助けるよ!」

「みんな...。ありがとう。」

みんながいてくれるから、今の私がある。大切にしなきゃ。


「皆さん、おはようごさいます」

「「おはようございます」」

先生も、今日は私がいることに気がついたみたい。
先生や、親以外のみんなにも知ってもらわなきゃいけない。
これから迷惑をかけてしまうのだから。


「先生、あのっ...。」

「美山さん、おはよう。体調はどう?」

「はい、お陰様で元気です。」

「そう、良かった。...それで、話って?」

「あの......。」

「そうよね。ちゃんと伝えたいものね。良いわ。」

「ありがとうございます。」


「起立!」

「礼!」

「「「おはようございます」」」

「出席をとるわね。......。」

出席かー、久しぶり。

「美山さん。」

「はい。」

何か新鮮。二週間って、意外と長いんだな~。

「それじゃあ、美山さん。」

「はい。」

お知らせの時間に二週間休んだ訳を話そうと思った。


「みんなに話さないといけないことがあります。」

クラスがざわっとしたのは、耳が聞こえなくてもわかった。

「私は、昨日までの約二週間、学校を休みました。理由は体調不良...というよりは精神面のバランスが崩れてしまったからです。突然ですが...私はあと一ヶ月もすれば、耳が聞こえなくなります。もうすでに右耳が完全に聞こえない状態です。」

「柚月...。」

「やっぱり、片耳だけだと聞き取りづらくて、迷惑をかけてしまうと思います。」

「柚月ちゃん...。」

「でも、頑張ろうって決めたから...。だから、これからも私を支えてほしいです。」


い、言えた...。

「「柚月ー、絶対大丈夫!私たちがいるからね!」」

「「「私たちも助けます!」」」

みんな...。

「ありがとう。...ありがとう!」


このクラスならやっていけるはず。大丈夫だ。

そう、自分に言い聞かせた。
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