遠くのレモン
「セナ、それ、気に入ったの?」

うしろで、あのおとこのひとのこえがした。

「それね、ベッドって言うんだよ。
そっちの四角いの、マクラね。」

「いや、えっと・・・、その、・・・」

はずかしい。
しらないひとのものなのに。
むちゅうになってしまった。

「セナ、この人ね、俺の母さん。」

大樹っていう人の後ろに、おんなのひとがいた。
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