この愛、スイーツ以上
溺愛の度合
プロポーズの返事を保留にしてから一週間が経とうとしていた。

今日は金曜日。今日1日頑張れば、怒濤の一週間がやっと終わる。

副社長は私の返事に「気長に待つから」と言ってくれたが、仕事をしながらなんとなく気まずくて、仕事のことしか話すこともしないのに私の受け答えはギクシャクしたものだった。

副社長はいつものように冷静なのに私だけが意識している。

意識していても業務に支障をきたすことはなかったのが幸いだけど、心はずっと落ち着かなかった。

気長と言われたけど、いつまでなんだろうと何度も思った。自分から時間がほしいと言ったくせに、いつまでと期限を決めてほしくなっていた。


「おはよう!」


キーボードを叩く音しかしない部屋に元気な声が響く。ここに朝から元気よく来る人物はただ一人しかいない。副社長の兄の虎太さんだ。

元気な虎太さんに副社長はいつものように「うるさい」と睨む。虎太さんはそんな睨みを無視して、声をさらに張り上げた。
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