この愛、スイーツ以上
*番外編
街はチョコレート商戦で賑わう季節となっていた。


「出来た!」


ダークブラウン色の正方形の箱に作ったトリュフチョコレートを四個入れて、細くて白いリボンをかける。

同じものを二つ用意して、白い紙袋に入れた。


「お父さん、これ食べてね」

「おお、ありがとう」


父に残ったチョコを渡して、私は黒色のワンピースにオフホワイト色のコートを羽織った。

このコートは涼太さんからのクリスマスプレゼントだ。私が買うコートの多分10倍以上するお値段。上質な素材で出来ているコートは柔らかくてとても着心地が良い。

クリスマスイブは横浜にあるホテルのスイートルームに宿泊した。ケーキを含む料理の全ては部屋に用意されていて、私は終始感動していた。

このコートにももちろん感動。プレゼントだよと渡された箱は大きくて、何が入っているのか全く想像が出来なかったから開けて驚いた。

私に羽織って「よく似合っている」と言ってくれて、優しいキスをしてくれた。
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