この愛、スイーツ以上
休日くらい仕事を忘れようと、私自身がコロに癒してもらうためでもあるけど。
「えーと、現在地がここだから、真っ直ぐ行って、右に曲がればあるかな。コロ、もうすぐだからね」
おとなしくはしているが、早く出して欲しそうに小さな窓から見ているコロに話し掛ける。
スマホで案内図を見ながら歩いていき、目的地に辿り着いて、バッグを開ける。
少々臆病なコロは鼻をひくひく動かして、外の様子を窺う。
「出ておいで」と手を差し出してようやく顔を出した。まだ体の半分はバッグの中だ。引っ張って出そうとしたその時、後ろから私は押された。
えっ?
大きくはないけれど、突然の衝撃に前のめりになるとコロもビックリしたようで、バッグの中に戻ってしまった。
「紫乃、待て。あ、すみません」
紫乃?
えっ、この声って?
振り向くと雲ひとつない青空の下で私にぶつかってきた犬を抱き上げた副社長がいた。
「あれ? 由梨?」
「ふ、副社長!」
まさかこんなところで会うなんて!
「えーと、現在地がここだから、真っ直ぐ行って、右に曲がればあるかな。コロ、もうすぐだからね」
おとなしくはしているが、早く出して欲しそうに小さな窓から見ているコロに話し掛ける。
スマホで案内図を見ながら歩いていき、目的地に辿り着いて、バッグを開ける。
少々臆病なコロは鼻をひくひく動かして、外の様子を窺う。
「出ておいで」と手を差し出してようやく顔を出した。まだ体の半分はバッグの中だ。引っ張って出そうとしたその時、後ろから私は押された。
えっ?
大きくはないけれど、突然の衝撃に前のめりになるとコロもビックリしたようで、バッグの中に戻ってしまった。
「紫乃、待て。あ、すみません」
紫乃?
えっ、この声って?
振り向くと雲ひとつない青空の下で私にぶつかってきた犬を抱き上げた副社長がいた。
「あれ? 由梨?」
「ふ、副社長!」
まさかこんなところで会うなんて!