この愛、スイーツ以上
でも、副社長に歯向かうような態度をとれない。


「では、吉川さんからの了承も得たので、それでオーケーにしましょう。で、吉川さんのこれからの業務についてお話しますね」

「はい、よろしくお願いします」


いつまでも待受画面のことで押し問答をしていられない。安田さんに話を切り替えてもらったことで、まずやらなければいけないことを思い出す。

用意されたファイルを見ながら、安田さんから説明を受ける。主な1か月の流れとそれに対しての私がやること。

といっても聞く限り、安田さんの補佐という感じで、あとは二人が出掛けたあとの留守番といったところ。留守番は確かにいた方がいいだろうけど、それほど必要性を感じない。

なので、なぜ私がここに異動になったのか疑問になる。


「あとですね。副社長はいろんな方面からパーティーに招待されることが多いのですが、この人はそういう華やかなのは嫌っていまして」

「はあ、そうなんですね」


華やかな場で副社長が愛想よくする姿が想像できなく、嫌うのが納得出来る。
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