この愛、スイーツ以上
「俺がかわいいもの好きなのは兄さん、知っているだろ?」
「それは知っているけど、そういうものとは違うというか……あー、でも! その辺りに吉川さんを選んだ理由があるのか。そうか、そうか」
ポンと手を叩いた虎太さんは微笑ましいものを見るように副社長と私を交互に見た。
副社長が私を選んだというか、ここに異動させた理由に特別な意味はないと思っていたけど、一番かわいいという紫乃ちゃんと同じだと言われたから、そこに答えがあったのかと自分でも薄々と感じてはいた。
そう思うのはちがうのではないか、勘違いしてはいけないと思うようにしていたけど、虎太さんに言われるとそうなのかと考えてしまう。
「でも、人に対してそう素直な涼太を見るのは本当に久しぶりだな。子供の頃のお前に戻ったみたいで……」
「兄さん、そういう話はしなくていいから」
子供の頃の副社長は素直だった?
私はトレイを胸に抱えて、マジマジと副社長を見た。彼は微かに頬を染めて、拗ねた顔をしている。
素直というか人間らしい顔だ。こんな顔を見るのも初めてで、無愛想なイメージがよい方向に崩れていく。
「それは知っているけど、そういうものとは違うというか……あー、でも! その辺りに吉川さんを選んだ理由があるのか。そうか、そうか」
ポンと手を叩いた虎太さんは微笑ましいものを見るように副社長と私を交互に見た。
副社長が私を選んだというか、ここに異動させた理由に特別な意味はないと思っていたけど、一番かわいいという紫乃ちゃんと同じだと言われたから、そこに答えがあったのかと自分でも薄々と感じてはいた。
そう思うのはちがうのではないか、勘違いしてはいけないと思うようにしていたけど、虎太さんに言われるとそうなのかと考えてしまう。
「でも、人に対してそう素直な涼太を見るのは本当に久しぶりだな。子供の頃のお前に戻ったみたいで……」
「兄さん、そういう話はしなくていいから」
子供の頃の副社長は素直だった?
私はトレイを胸に抱えて、マジマジと副社長を見た。彼は微かに頬を染めて、拗ねた顔をしている。
素直というか人間らしい顔だ。こんな顔を見るのも初めてで、無愛想なイメージがよい方向に崩れていく。