この愛、スイーツ以上
その頃、会社の商品がうけるかどうかまず東郷兄弟のもとに試作品が届いていたそうだ。それを幼いながらも副社長は「ここはこうだったらいいな」と感想を述べていたそうだ。

もちろん虎太さんにも同じように与えられていたが、反応がよく楽しく遊んでいたのは副社長の方。

そんな副社長を見てお父さんは将来を楽しみにしたが、おじいさんが「でも社長になるのは虎太だからな」と言った。

自分が将来おじいさんやお父さんの跡を継いでおもちゃ屋さんになれると思っていた副社長は、初めて知らされた事実に衝撃を受けた。それからも変わらずいろんなおもちゃで遊ぶものの静かになったそうだ。

それでも人とコミュニケーション取るのを嫌わなかったから安心していたが、その後将来の夢におもちゃ屋さんは出なかった。

父親である社長はずっと気にしていて、高校生になった副社長に打診した。おもちゃ制作をして虎太さんと一緒にトゴタンをさらに発展させてほしいと。

思いがけない父親の言葉にしばらく悩んでいたが、入社を決意したという。
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