この愛、スイーツ以上
安田さんの実家は北海道にあり、入院先も北海道と遠い。だから、休まないと行けない距離なのは理解できる。

だけど、安田さん不在の二週間、副社長と二人で過ごさなければならないことが不安だ。

それに、この副社長室に来るのが慣れたとはいえまだ二週間の私に安田さんの代わりが務まるとも思えない。


「もしかして、どなたか安田さんの代わりでこちらに来られるとか?」

「いえ、私の代わりは吉川さんで充分出来ると思いますので、代わりは来ません。引き継ぎをもちろんしますのでいない間、よろしくお願いします」


口調は柔らかだけど、キッパリと言われて頭まで下げられると「分かりました」としか返せない。

「任せてください」と胸を叩けはしないけど、滞りなく業務が出来るようには努力しよう。少しでも安田さんが安心して休めるように。


「副社長には吉川さんを困らせるようなことをしないようきつく話しておきますね」

「それは助かります。よろしくお願いします」


二人だけになったときの副社長の行動が全く読めないが、安田さんは何かしらしでかすかもしれないからと言ってくれた。
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