この愛、スイーツ以上
「どうぞ」と開けられた部屋は個室になっていて、二人だけで食事をする場としては広すぎる大きさだし、座卓も大きい。
だけど、和座椅子は二人分しか置かれていない。副社長の向かい側に腰を下ろして、落ち着きなく部屋を見回した。
「ご注文は季節のおまかせでよろしいかしら?」
「そうですね。特に苦手な物はないというので、それでお願いします」
「かしこまりました。では、ごゆっくり」
丁寧に頭を下げてから女将さんは出ていった。
「二人だけだから気楽にしていていいよ」
「はい、ありがとうございます」
そうは言われても、崩すことが出来なく紺色のふかふかした座布団に正座で姿勢よくした。痺れて立てなくならないよう気を付けよう。
わが社は先日クールビスが終わり、男性社員はネクタイ着用が義務付けられた。取引先への訪問時には上着も着用することになっている。
10月になってもまだ日中は暑いので、首回りが暑そうで気の毒だなといつも思っている。
オフィスを出るときの副社長はちゃんとネクタイを締めて上着も着ていたけど、車に乗るなり上着は脱いで、そのまま車の中に置いてきた。
だけど、和座椅子は二人分しか置かれていない。副社長の向かい側に腰を下ろして、落ち着きなく部屋を見回した。
「ご注文は季節のおまかせでよろしいかしら?」
「そうですね。特に苦手な物はないというので、それでお願いします」
「かしこまりました。では、ごゆっくり」
丁寧に頭を下げてから女将さんは出ていった。
「二人だけだから気楽にしていていいよ」
「はい、ありがとうございます」
そうは言われても、崩すことが出来なく紺色のふかふかした座布団に正座で姿勢よくした。痺れて立てなくならないよう気を付けよう。
わが社は先日クールビスが終わり、男性社員はネクタイ着用が義務付けられた。取引先への訪問時には上着も着用することになっている。
10月になってもまだ日中は暑いので、首回りが暑そうで気の毒だなといつも思っている。
オフィスを出るときの副社長はちゃんとネクタイを締めて上着も着ていたけど、車に乗るなり上着は脱いで、そのまま車の中に置いてきた。