この愛、スイーツ以上
見ていられると居心地が悪いと言った彼の言葉が分かってきた。私も居心地が良くなくて、足をもぞもぞさせる。


「足、痺れてない？」

「いえ、大丈夫です」

「楽にしていいんだよ。最初にも言ったけど二人しかいないんだから、マナーがどうとか言うより、美味しく楽しく食べた方がいいしね。ちゃんと味わってる？」

「あ、すみません！ 緊張していて味を感じていませんでした」

「だろうね。ここの料理は素材もいいけど、何よりも丁寧に作られていてどれも美味しいんだよ。ほら、この煮物もしっかりと味が染み込んでいる」


彼の手が動きを再開させる。小鉢からカボチャの煮物を取り出して口に入れる。私も同じように食べた。


「美味しい！ カボチャ本来の甘みも残っていて本当に美味しいです」

「良かった。せっかくだから話をしながらゆっくり食べよう」

「はい、そうですね」


カボチャ一つで興奮する私に彼は微笑んだ。確かに食事は美味しく楽しく食べた方がいい。

私は正座していた足を横に崩した。ただ足は楽になるけど、座高が低くなったから少し食べにくいような気がした。
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