この愛、スイーツ以上
正座した方が背中が真っ直ぐ伸びて食べやすい。楽に食べるって意外と難しい。

でも副社長の心遣いに甘えた方がいいだろうなと、食べる時は正座、食べていない時は崩すという落ち着きがない感じではあるが自分なりに楽なスタイルで食事した。


これが美味しい、これが好きと話ながらの食事を緊張しながらも楽しく一通り終えると、お茶と水菓子が最後に出てきた。


「明日から安田さんがいないけど、よろしくね。俺も出来ることはやるし、分からないことや困ったことがあったら遠慮なく聞いて」

「はい、ありがとうございます。でも、副社長にご迷惑がかからないよう頑張りますね。安田さん同等にやるのは無理かもしれませんけど、出来る限りやりたいと思っています」

「頼もしいね」

「あ、でも、至らない点があったら言ってくださいね」


安田さんから昨日、今日の二日間で引き継ぎをした。丁寧に教えてくれたけど、不安が全くないとはいえない。

だけど、そんな不安を副社長に見せて重荷にされたくはない。
< 70 / 207 >

この作品をシェア

pagetop