この愛、スイーツ以上
「それは由梨の想像に任せるよ」


副社長は意味深に微笑んで、立ち上がった。

どう想像したらいいのかと思いながら、湯呑みを両手で包んで彼の動きを目で追っていると、私の隣に来た。

予想していない動きに私の体は固まった。

しかし、彼の手が私の髪に触れたので驚いて顔だけが動いた。


「ずっと触りたいと思っていたんだ。なんでこんなにサラサラになっているの?」

「そ、それはですね」

「うん、教えて」


湯呑みを落としてはいけないと持っていたことを思い出して、テーブルに置いた時、彼の指が今度は耳に触れた。

なぜか右サイドの髪をすくって耳にかけていたからだ。

私は体をビクッと揺らして、副社長を凝視した。彼はしれっとした顔で今度は毛先を指にくるっと巻いている。

やりたい放題だな。

このまま抵抗を一切しないとこの先何をされるか分からなく、不安になる。


「縮毛矯正したので、サラサラになりました」

「縮毛矯正?」

「はい。また絡まると困るので」

「へー。前のもかわいかったけど、こっちもいいね」
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