この愛、スイーツ以上
「では、私はここで。明日からよろしくお願いします」
少し歩けば確か駅があったはず。だから、電車で帰ろうと副社長に頭を下げた。
「待てよ。何を言ってる? 一緒に帰るんだよ。井村に送らせるから」
くるりと背中を向けた時、腕を掴まれた。一緒に帰るとまでは思っていなかったから、キョトンとしてしまう。
一緒に帰る?
どうして?
副社長はいつも車で通勤しているから車で帰るのは当然だけど、電車通勤の私は電車で帰るのが当然だ。それに家の方角が違う。
送ってもらうとかなり遠回りになってしまうから、副社長が休むのが遅くなる。だから、せっかくの厚意だろうけど、断ろうとした。
しかし、断る前に「由梨」と呼ぶ声が聞こえた。
「由梨? やっぱり由梨! こんなところで何してるのよ。今から帰るの? 送るよ」
「お姉ちゃん!」
1台の車が私たちの横を通りすぎて数メートル先で止まった。一瞬井村さんかと思ったが、車の色が違った。井村さんの車は黒で、止まった車は白だ。
でも、それが姉の車だったとはすぐに気付かなかったので、聞き慣れた声が聞こえて驚いた。
少し歩けば確か駅があったはず。だから、電車で帰ろうと副社長に頭を下げた。
「待てよ。何を言ってる? 一緒に帰るんだよ。井村に送らせるから」
くるりと背中を向けた時、腕を掴まれた。一緒に帰るとまでは思っていなかったから、キョトンとしてしまう。
一緒に帰る?
どうして?
副社長はいつも車で通勤しているから車で帰るのは当然だけど、電車通勤の私は電車で帰るのが当然だ。それに家の方角が違う。
送ってもらうとかなり遠回りになってしまうから、副社長が休むのが遅くなる。だから、せっかくの厚意だろうけど、断ろうとした。
しかし、断る前に「由梨」と呼ぶ声が聞こえた。
「由梨? やっぱり由梨! こんなところで何してるのよ。今から帰るの? 送るよ」
「お姉ちゃん!」
1台の車が私たちの横を通りすぎて数メートル先で止まった。一瞬井村さんかと思ったが、車の色が違った。井村さんの車は黒で、止まった車は白だ。
でも、それが姉の車だったとはすぐに気付かなかったので、聞き慣れた声が聞こえて驚いた。