この愛、スイーツ以上
「えっ、そうだけど? なんで知ってるの?」
「藤川からよく聞いた名前だから。まりまりとかプリンセスまりとか」
「はあ? プリンセス?」
姉と透さんは同じ高校だけど、同じクラスになったことがない。二人は美容専門学校で会って、偶然に同じ高校出身だったことから意気投合して、それがきっかけで付き合うようになったと聞いていた。
だけど、今の副社長がいうプリンセスまりとかいうのは?
「おい、東郷! 余計なこと言わなくていいから」
「もしかして内緒だった? 悪い」
透さんは慌てて車を降りてきて、副社長の肩を掴む。かなり焦っていて、姉の顔を見ようとしない。姉はそんな透さんを唖然とした顔で見ていた。
「いや、別にいいんだけど。俺、やっぱ車で待ってるから。由梨ちゃん、送るから乗ってね」
姉の顔はまだ見ないで私と副社長だけを見て、透さんは車に小走りで戻っていった。
呆然と透さんの動きを追っていた私たちは何を話したらいいのか無言でお互いの顔を見合わせる。
沈黙の時を破ったのは、これまた焦る声だった。
「涼太さま、すみません! 遅くなり、申し訳ありません!」
「藤川からよく聞いた名前だから。まりまりとかプリンセスまりとか」
「はあ? プリンセス?」
姉と透さんは同じ高校だけど、同じクラスになったことがない。二人は美容専門学校で会って、偶然に同じ高校出身だったことから意気投合して、それがきっかけで付き合うようになったと聞いていた。
だけど、今の副社長がいうプリンセスまりとかいうのは?
「おい、東郷! 余計なこと言わなくていいから」
「もしかして内緒だった? 悪い」
透さんは慌てて車を降りてきて、副社長の肩を掴む。かなり焦っていて、姉の顔を見ようとしない。姉はそんな透さんを唖然とした顔で見ていた。
「いや、別にいいんだけど。俺、やっぱ車で待ってるから。由梨ちゃん、送るから乗ってね」
姉の顔はまだ見ないで私と副社長だけを見て、透さんは車に小走りで戻っていった。
呆然と透さんの動きを追っていた私たちは何を話したらいいのか無言でお互いの顔を見合わせる。
沈黙の時を破ったのは、これまた焦る声だった。
「涼太さま、すみません! 遅くなり、申し訳ありません!」