この愛、スイーツ以上
姉たちが偶然通りかかったおかげで副社長から難なく離れることが出来たけど、今この場にいるのは気まずいような。
寝ている振りでもしようか。
チラッと透さんを見ると額に汗が滲み出てる。副社長ったら、本当に余計なことを言うから。
透さんは小さく息を吐いて、チラッと姉を見る。
「麻里は覚えていないだろうけど、俺たち高校の時に一度だけ話をしたことがあるんだよ」
姉は「うそ?」と手を口で覆って目を丸くさせている。
「でもその後一度も話しかける勇気がなくて、陰から見ることしか出来なかった。だから、専門学校で麻里の姿を見たときは本当にビックリしたんだ」
「そうだったんだ」
「こんな恥ずかしいこと、一生言わないでいようとしたのに東郷のせいで……」
副社長への不満をぼやく透さんに姉は優しく笑う。
「私は東郷くんに感謝したいな。だって嬉しいもの」
ちょうど赤信号で止まり、透さんは姉を見る。見つめ合う二人をこっそり見ている私はなんだか隠れたい気分。
もしかして、二人は私の存在を忘れているかも。
寝ている振りでもしようか。
チラッと透さんを見ると額に汗が滲み出てる。副社長ったら、本当に余計なことを言うから。
透さんは小さく息を吐いて、チラッと姉を見る。
「麻里は覚えていないだろうけど、俺たち高校の時に一度だけ話をしたことがあるんだよ」
姉は「うそ?」と手を口で覆って目を丸くさせている。
「でもその後一度も話しかける勇気がなくて、陰から見ることしか出来なかった。だから、専門学校で麻里の姿を見たときは本当にビックリしたんだ」
「そうだったんだ」
「こんな恥ずかしいこと、一生言わないでいようとしたのに東郷のせいで……」
副社長への不満をぼやく透さんに姉は優しく笑う。
「私は東郷くんに感謝したいな。だって嬉しいもの」
ちょうど赤信号で止まり、透さんは姉を見る。見つめ合う二人をこっそり見ている私はなんだか隠れたい気分。
もしかして、二人は私の存在を忘れているかも。