この愛、スイーツ以上
私は気配を消そうと息を潜めて、窓の外を見た。街灯や店の明かり、家の明かり等をぼんやり眺めていると帰り際の副社長の寂しげな顔が浮かび上がってくる。
『好きだ』と言った彼はもっと一緒にいたかったのかもしれない。だけど、拒んだ。
拒んだとしても明日からまた顔を合わせなくてはいけないし、安田さんがいないから二人だけだ。
意味があっても近付かないでと言えばよかった。そうしたらキスをされるという事態にまではならなかった。
私はバカだ。
また同じように近付いてこられたら拒否できるだろうか。真っ直ぐと熱い瞳で見つめられたら動けなくなり、彼の唇を待ってしまう。
もう一度あのキスを……って、望んではダメ!
今何を考えたの?
でも、でも、あのキスが忘れられない。
混乱する思考に私は足をバタバタさせてしまった。
その動きで姉がハッとこちらを振り返る。
「あ! 由梨、いたんだっけ?」
「う、うん。ごめん」
二人の世界に入っていて、私のことは本当に忘れていたらしい。姉も透さんも頬を赤くしていた。
『好きだ』と言った彼はもっと一緒にいたかったのかもしれない。だけど、拒んだ。
拒んだとしても明日からまた顔を合わせなくてはいけないし、安田さんがいないから二人だけだ。
意味があっても近付かないでと言えばよかった。そうしたらキスをされるという事態にまではならなかった。
私はバカだ。
また同じように近付いてこられたら拒否できるだろうか。真っ直ぐと熱い瞳で見つめられたら動けなくなり、彼の唇を待ってしまう。
もう一度あのキスを……って、望んではダメ!
今何を考えたの?
でも、でも、あのキスが忘れられない。
混乱する思考に私は足をバタバタさせてしまった。
その動きで姉がハッとこちらを振り返る。
「あ! 由梨、いたんだっけ?」
「う、うん。ごめん」
二人の世界に入っていて、私のことは本当に忘れていたらしい。姉も透さんも頬を赤くしていた。