この愛、スイーツ以上
副社長が戻ってくるまでの間、虎太さんにどういう関係の人なのかだけでも聞いておこうと口を開きかけた時、副社長が戻ってきた。

無表情で電話の内容がどうだったのか読み取れない。


「母さん、なんて言ってた？」

「そういうことは早くに言いなさいと怒られた。けど、分かってくれて藍華に断りの電話をしておくって」

「涼太からも藍華ちゃんに話した方がいいんじゃないか？」


虎太さんの提案に副社長は腕を組んで「うーん」と唸る。

話に出ている藍華さんという人がどんな人だか分からないけど、虎太さんが言うように副社長から連絡をした方がいいのではないかと私も思う。

でも、それよりもどんな関係の人なのかとても気になる。

今聞いてもいいかな？


「すみません」と二人の会話に入り込むと二人してこちらを向いた。


「その藍華さんという方と副社長はどのような関係なんでしょうか？」

「吉川さんにもちゃんと話した方がいいね。涼太、しっかりしなよ」


虎太さんはこの後約束があるからと副社長の肩を叩いて、出ていった。
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