この愛、スイーツ以上
副社長に確認をしないで、勝手に藍華さんを入れてしまったから怒っているようだ。

私の確認ミスで藍華さんまでもが怒られてしまう。


「副社長、申し訳ありません」

「だって、どんな子か見たかったから」


私の謝罪と被せて藍華さんが答える。謝るために立った私のそばに副社長が来た。


「何がだってだよ。吉川さんは悪いことしていないから謝らなくていいよ。嫌な思いはしていない? 大丈夫?」


彼はこちらの顔を真っ直ぐと見て、頭を撫でた。


ええっ! 何? 何で?

私のことを心配してくれるのは嬉しいけれど、頭を撫でられるとは予想外で、頭の中はパニックになった。

脳内はパニックでも、体は身動き一つ出来なかった。


「大丈夫です……」


なんとか返事をするが、小さい声になってしまった。まるで子供かペットにするように撫でるから、どうしていいか分からない。しかも人前でだから余計に。

撫でる手は優しいし、心配そうに私の様子を確認する瞳も優しい。

だけど、恥ずかしい。今置かれている把握すると恥ずかしさがどんどん増してきた。
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