崩壊寸前の国を人間破綻者が救う時
プロローグ
正直苦しかった。痛かった。苦痛だった。
それでも認めてもらうためだと我慢した。
叫びたいこの気持ちを抑え抑え抑え続けた。
本当はただ単に普通の子供のようにお父さん、お母さんに褒めて欲しいだけなのに。
頭を優しく撫で笑いかけて欲しかっただけなのに。
でもこんな今の僕にお父さんとお母さんは見向きもしてくれないだろう。
だから立派になったらいっぱい褒めてもらう。
今はそのための辛抱。
そう自分を言い聞かせている。
立派になったらお父さんとお母さんに自慢話をして褒めてもらえる。笑ってもらえる。
その光景を想像しているだけで心が温まる。我慢できる。
でもそれはまだ今じゃない。今はその過程。
だから努力して最強で最恐の軍人になって立派になって認めてもらうんだ。
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