俺の花嫁~セレブ社長と愛され結婚!?~
「お前は警戒心薄いから――」

間合いを詰められて二、三歩後ずさったところで、脚が執務卓にぶつかってしまった。
そのままぐいぐいと体を寄せてくるものだから、腰がデスクの上に乗り上げ、これ以上ないくらいに追い詰められてしまう。
けれど大河はお構いなしに、私の脚の間を割って密着してくる。

「こうやって近づかれたら、逃げることもできないんだろ?」

腰がぴったりと触れ合い、スカートから覗いた太股の内側が彼のスーツの生地に擦れざらりと痛んだ。

「た、大河……?」

距離を失くされて、心臓が鼓動をバクバクと際限なく打ち鳴らしている。

「嫌なら、抵抗してみろよ。そんなんじゃ、またすぐにセクハラされるぞ?」

挑発するような艶っぽい瞳で囁いたあと。
突然大河は私の顎をすくいあげ、強引に唇を塞いだ。

んっ――と短く喉を鳴らして、瞳をぱちぱちと大きく瞬く。

熱く濃厚な口づけは、ほんの少し乱暴で、まるで嫌と言えない私にお仕置きをしているみたいだった。

貪られるような感触に心が激しく乱されて、逃げるように上半身を逸らすが。

「きゃっ……」

執務卓の上に押し倒されて、これ以上の逃げ場を失くしてしまった。

両側に手をつかれ、身動きのとれなくなった私へ、大河はエゴイスティックにキスを落とす。
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