俺の花嫁~セレブ社長と愛され結婚!?~
「……わかりました」
大河が頷くのを見て、胸が苦しくなった。納得してしまったのだろうか、私の相手はそこの陣内さんが一番相応しいのだと……。
けれど大河は、正座を崩し立ち上がると、私の腕を取って無理矢理引き上げた。
「それなら、莉依さんを攫います」
腰を浮かせてふらつく私を、大河は勢いよく抱き上げる。体がふわりと宙に舞って、大河の腕の中にすぽんと収まった。
「きゃあっ」
「莉依!」「莉依ちゃん」
抱き上げられた私を見て、目を丸くする父と母。
弟の莉生だけが揚々とした目で私たちを見守り、野次を飛ばすみたいにフィゥゥと口笛を吹いた。
「莉依、俺と一緒にこい」
大河は戸惑う私にそう言い放ち、私を抱いたままリビングを出た。
慌てて立ち上がったお父さんが袴の裾を踏んづけて派手に横転し、結納セットがガチャンと大きな音を立てて散らばったけれど、大河はうしろの惨事には目もくれず、私から視線を逸らさない。
「ついてこい。必ずお前を幸せにしてやる」
力強いその言葉に瞳を吸い寄せられて、父も母も陣内さんも誰も視界に入らない。私の世界は大河一色になった。
大河が頷くのを見て、胸が苦しくなった。納得してしまったのだろうか、私の相手はそこの陣内さんが一番相応しいのだと……。
けれど大河は、正座を崩し立ち上がると、私の腕を取って無理矢理引き上げた。
「それなら、莉依さんを攫います」
腰を浮かせてふらつく私を、大河は勢いよく抱き上げる。体がふわりと宙に舞って、大河の腕の中にすぽんと収まった。
「きゃあっ」
「莉依!」「莉依ちゃん」
抱き上げられた私を見て、目を丸くする父と母。
弟の莉生だけが揚々とした目で私たちを見守り、野次を飛ばすみたいにフィゥゥと口笛を吹いた。
「莉依、俺と一緒にこい」
大河は戸惑う私にそう言い放ち、私を抱いたままリビングを出た。
慌てて立ち上がったお父さんが袴の裾を踏んづけて派手に横転し、結納セットがガチャンと大きな音を立てて散らばったけれど、大河はうしろの惨事には目もくれず、私から視線を逸らさない。
「ついてこい。必ずお前を幸せにしてやる」
力強いその言葉に瞳を吸い寄せられて、父も母も陣内さんも誰も視界に入らない。私の世界は大河一色になった。