俺の花嫁~セレブ社長と愛され結婚!?~
9 ――甘やかしてください、ずっと
大河は私を抱きかかえたまま家を出ると、その足で大通りへと向かった。
環状道路に繋がるその通りは歩道の道幅も広く、夜にも関わらず多くの人々が行き交っている。
振袖姿の女性をお姫様抱っこして歩くさまは、当然のように人目を引く。
その上、大河の見目のよさに、振り返った通行人は二度見しては驚くわけだ。
「……莉依、手、挙げてくれ」
両手が塞がっている大河は、ガードレールの途切れたところに立ち、タクシーが来たのを見計らって私に命じた。
大河とともにこのまま逃亡していいのか――悩みながらもおずおずと手を挙げる。
止まったタクシーの後部座席に乗り込み走り出した瞬間、もと来た道の先から袴姿の父が見えた。
追いかけてくるその姿に、動揺した私は窓に吸いついて一心に道の先を見つめるけれど――
「莉依」
背中からかけられた声に、胸がドクンと大きく脈打つ。
「迷うなよ。親のいいなりになんかなるな」
揺るぎない言葉と真っ直ぐな瞳。
環状道路に繋がるその通りは歩道の道幅も広く、夜にも関わらず多くの人々が行き交っている。
振袖姿の女性をお姫様抱っこして歩くさまは、当然のように人目を引く。
その上、大河の見目のよさに、振り返った通行人は二度見しては驚くわけだ。
「……莉依、手、挙げてくれ」
両手が塞がっている大河は、ガードレールの途切れたところに立ち、タクシーが来たのを見計らって私に命じた。
大河とともにこのまま逃亡していいのか――悩みながらもおずおずと手を挙げる。
止まったタクシーの後部座席に乗り込み走り出した瞬間、もと来た道の先から袴姿の父が見えた。
追いかけてくるその姿に、動揺した私は窓に吸いついて一心に道の先を見つめるけれど――
「莉依」
背中からかけられた声に、胸がドクンと大きく脈打つ。
「迷うなよ。親のいいなりになんかなるな」
揺るぎない言葉と真っ直ぐな瞳。