俺の花嫁～セレブ社長と愛され結婚!?～
「だって」

わっと感情が噴き出して、これまで抱いていた不安感が涙となってあふれでてきた。

どうして大河が私なんかを愛してくれるのか。いつか目が覚めて、私を捨てる日がくるんじゃないのか。
都合のいいことばかりで、それはまるで現実味を帯びていなくて。

「夢みたいだったから……いつか覚めてしまったらどうしようって……」

大好きな人が愛してくれるなんて、そんな奇跡が起こるわけないと。
傷つくのが嫌で、落胆するのが怖くて、ちゃんと真正面から受け入れることができなかった。

「バカ。現実だ」

知らしめるように、ぎゅうっと私の体を抱きしめて、大河が耳もとで囁いた。

「今、目の前で、俺はお前を愛してるって言ってる。これ以上の現実があるかよ」

視界を大河の胸が覆いつくして、これ以上、街の明かりも通り過ぎる車のヘッドライトもなにも入ってこない。
私の世界を埋め尽くすのは、大河だけ。
ただ、その言葉だけを信じていればいい。

そう思ったら、今までの苦しみが嘘のように軽くなって、安心して目を閉じることができた。
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